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予備試験合格に基本書は必要?不要? 合格者オススメ8選も解説

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予備試験受験生には基本書っているの?不要って声も聞くけど……
基本書ってたくさんあって何を選べばいいか分からない…… オススメの基本書は?

受験生の中で予備校・独学論争とともに、基本書必要・不要論争は大きな論争になっていますよね。

結論から言いますと、予備試験合格には基本書は不要です。しかし、あった方がいいといえます。
なぜなら、基本書は、自分が分からない分野を理解するのに最適な教材といえるからです。

選ぶポイントとしては、

  • 受験生に使われているかどうか
  • 科目の全体を網羅しているものかどうか
  • デザインが使いやすいかどうか
  • 手が出る金額かどうか

の4つです。

この記事では、基本書ってどうなんだ?と悩む受験生のために、

  • 基本書は必要なのかどうか
  • 基本書の使い方
  • 基本書の選び方

を中心に解説していきます。

基本書に迷っている予備試験受験生は、この記事を読んで自分に必要な基本書を選んでみてください。

この記事を書いた人
司法試験合格ぷろじぇくと

ロースクール在学中に平成28年予備試験に合格(論文式試験90位代)
平成29年司法試験に合格(総合順位500位)。現在弁護士として活動中。
司法試験合格後に憲法、行政法、商法のまとめノートを販売し、100件以上の販売実績あり。「司法試験を計画的に合格すること」を提唱していきたい。

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1 予備試験に合格するために基本書は不要。でも、あった方がいい!

結論から言いますと、予備試験を合格するなら基本書は不要です。
なぜなら、予備校のテキストと過去問などの問題集だけで、予備試験合格に必要な知識をつけることができるからです。

以下で詳しく説明していきますね。

1-1 予備試験までなら予備校テキストだけで、基本書はいらない

予備試験までなら予備校テキストだけで十分に対策可能です。

予備校のテキストは、当然ながら予備試験にも合格できるくらいの知識の網羅性があります。

予備校のテキストと基本書を比べたときに、予備試験合格に必要な情報量に違いはありません。

基本書は、予備試験対策に作られていないその法律の体系書です。そのため、予備試験には出題されない分野についてもある程度の記載があります。
一方で、予備校テキストは、その法律全体を知るには情報量が足りないですが、予備校が研究して作ったものですので、予備試験対策に必要な知識は網羅されています。

予備校のテキストをしっかり使い込んで勉強していれば、十分合格可能です。

実際に予備校のテキストだけで合格できたという合格者もいます。

1-2 基本書があることでスムーズに理解できることもある

じゃあ全く基本書はいらないものかというと、そうではありません。
基本書があることで分からないところがスムーズに理解できるということもあります。

なぜなら、基本書は、法律に詳しい教授が体系的に書いた書物だからです。

予備校のテキストは、単文で書かれていて、文のつながりは矢印などで示されることが多くあります。
一方で、基本書は、文章で書かれています。
「理解」をするためには、読みながら思考をすることが必須です。

単文で書かれている予備校テキストでは、ついつい読み飛ばしてしまい、思考という過程に至りづらくなります。
また、理解をするのに必要な言葉が不足していて、思考過程を十分に築くことができないこともあります。

基本書では、教授の思考過程が文章で書かれているので、読むだけで思考過程を築くことができます。

予備校テキストをベースにしながら、ピンポイントで基本書を使う

これが、予備試験対策にとってはベストな選択といえるでしょう。

2 予備試験対策での基本書の使い方

この章では、予備試験対策では具体的にどのように基本書を使ったらいいのかを詳しく解説していきます。

具体的には、以下の2つの方法で使うことになります。

  1. 理解できないところを辞書のように調べる
  2. 苦手な分野を通読して、分野自体の理解を深める

使い方を間違ってしまうと、時間がかかるばかりで知識が定着しないのでこの章をよく読んで基本書の使い方をマスターしてください。。

2-1 理解できないところを辞書のように調べる

使い方の1つ目は、勉強をしていてどうしても分からない定義・規範を、辞書のように基本書を引いて調べるということです。

このような使い方をするのは、予備校テキストでは定義・規範が書いてあっても、解説が短くて分かりづらい一方で、基本書だとその周辺の知識も含めて説明がされているため、すんなりと分かりやすくなっているからです。

基本書を使って理解ができたら、次に理解するためのヒントを予備校テキストや論証集にメモしておきましょう。
こうすることで、次に定義・規範を確認するときに予備校テキストや論証集を確認するだけでささっと再確認できます。

2-2 苦手な分野を通読して、分野自体の理解を深める

勉強をしていると、どうしても分野単位で苦手だと感じる分野が出てきます。
このときに基本書の苦手分野の範囲を通読することで、その分野自体の理解を深めることができることがあります。

なぜなら、基本書では、その分野にどのような起源があって、どのような立法の経緯があって、どのような学説の対立のもと、判例や通説が成立したのかということが解説してあるので、通読しているうちに苦手の原因を解消できるからです。

管理人
管理人

私は、民事訴訟の中でも、多数当事者訴訟の分野が苦手でした。
しかし、基本書(リーガルクエスト民事訴訟法)の多数当事者訴訟の範囲全体を読んでみたところ、今までバラバラだった知識を整理することができ、(少しだけ)苦手意識がなくなりました。

何度か勉強してみても苦手だと感じたときは、一度その分野の基本書を読んでみましょう。

苦手分野の基本書を通読するときに注意することがあります。
それは、「苦手分野」を広くしすぎないということです。
例えば、民法の債権法部分が苦手だと感じていたとしても、ほとんど基本書1冊と同じだけの範囲になります。
基本書内で1章程度の分野に絞れるようになってから基本書の通読をするようにしましょう。
「債権法が苦手」というのは、ただ債権法の勉強量が足りないというだけの可能性が高いです。

2-3 基本書を一冊丸々通読するのはNG

基本書を一冊丸々通読するのは絶対にNGです。
受験生の皆様にとって最適な勉強法はいろいろとあると思いますが、基本書を一冊丸々通読することだけは絶対にNGです。

理由は2つあります。

1つ目は、とにかく時間がかかりすぎるからです。
予備試験の勉強では、予備校テキストや講義で一旦知識を入れ、過去問などを解きながら理解を深めていくのが王道です。それに比べて基本書通読は、遥かに時間がかかってしまいます。
単純に時間効率が悪すぎるということができます。

2つ目は、必ず試験に関係ない部分も含まれているからです。
予備校テキストと違って、基本書は予備試験対策のための本ではありません。そのため、本質的に予備試験とは関係のない部分の説明が含まれています。
もちろん、法律全体の知識を深めるという意味では全く無駄とはいえませんが、予備試験の合格を目指すという観点からいえば、必要ではありません。必要ではないから予備校テキストには記載がないのです。

管理者
管理者

私は、勉強を始めた当初に、頑張って基本書を通読してみたことがあります。
学部の教授が基本書を通読するものだと言っていたことと、ネットでも通読をするという勉強法が紹介されていたからです。
時間ばかりかかって読み終わった後に何も覚えることができていないことに気づき、もったいないことをしたなと後悔をしたことがあります。

3 基本書はこうやって選ぶ!4つのポイント

この章では、基本書を選ぶ4つのポイントを解説します。

  • 受験生に使われているかどうか
  • 科目の全体を網羅しているものかどうか
  • デザインが使いやすいかどうか
  • 手が出る金額かどうか

なぜこれらのポイントから選ぶかというと、

  • 予備試験に合格するための基本書の必要性
  • 予備試験に合格するための基本書の使い方
  • 現実的な予備試験受験生の環境

などの観点が大事だと考えられるからです。

3-1 受験生に使われているかどうか

受験生に使われているかどうかというのは、一番重要なポイントと言ってもいいかもしれません。
予備試験受験生に使われている基本書であれば、同じものを使って合格できる可能性が比較的高いからです。

どのような基本書が予備試験受験生に使われているかどうかは、

  • ブログ
  • SNS
  • 購買部や予備校などの販売ブース

などをチェックすることで調べることができます。

この記事で解説するオススメの基本書は、全て受験生に使われているようなものを挙げています。
ぜひ参考にしてみて下さい。

3-2 科目の全体を網羅しているものかどうか

基本書として使うためには、科目全体を網羅していることが必須となります。
例えば、分からないところを調べようと思って開いたのに、そもそも調べたい分野が書かれていなかったら別の本を開かないといけません。

この記事で解説するオススメの基本書は、科目全体を網羅しているので間違いはありません。

3-3 デザインが使いやすいかどうか

デザインが使いやすいものかどうかは、基本書を選ぶときの意外に重要なポイントです。

基本書として使用するのであれば、予備試験、そして司法試験に合格するまで使用することになります。

何百回と開くことになる本ですので、以下のようなデザインという観点からも使いやすいかどうかを検討しましょう。

  • 縦書きか、横書きか
  • ハードカバーか、ソフトカバーか
  • 単色か、2色刷か、カラーか
  • 紙の質はどうか
  • 脚注がどれくらいついているか
  • 関連する話題が別枠で囲まれているかどうか

ちなみに、デザイン面で私が使いやすいなと感じていたのは、リーガルクエストシリーズです。

3-4 手が出る金額かどうか

手が出る金額かどうかというのも、基本書がお金を出して買う以上、必要なポイントです。

基本書となるような本であっても、本屋の中では高い部類の本です。
本ごとに大きく違うものでもないですし、値段だけで決めるのはどうかと思いますが、選ぶための一つのポイントにはなるでしょう。

社会人受験生であれば、定評のある基本書を全科目分一気に購入するというのもいいと思います。
比較的お金に余裕があるので、どれがいいのかというのを考えている時間がもったいないからです。

大学生の受験生であれば、なかなか一度に全科目購入するのは難しいと思います。
どうしても迷ってしまうときは、最後の決め手にするのもいいかもしれません。

4 科目別予備試験でおすすめの基本書

4-1 憲法

木下 智史、伊藤 建「基本憲法I 基本的人権」(日本評論社)

「憲法の流儀」で受験生の間では有名な伊藤建先生と、「事例研究 憲法」の著者である木下智史先生の書籍になります。

試験対策という意味で、販売されている書籍の中ではトップクラスの質を誇ります。
ただし、予備校の出している書籍のような受験対策本ではありません。あくまで、専門書という立ち位置ですから、基本書として使用することができます。

憲法は他の科目とはタイプが違い、予備校の講師による解説がかなりわかりづらいと思います。

基本憲法では、答案の書き方も解説されています。答案の書き方を学びながら、憲法ではどのようなことを勉強すればいいのかの目安にもなります。

管理者
管理者

私は、伊藤建先生の講義を受けてから憲法が得意科目になりました。

今ではBEXAの講義を受講するのが一番いいかと思います。

受講をするのに迷うのであれば、基本憲法だけでも購入することは強くお勧めいたします。

4-2 行政法

準備中…

4-3 民法

佐久間 毅「民法の基礎1 総則」(有斐閣)

民法の制度を基礎から説明してくれる書籍です。
民法全部が苦手という人にもおすすめです。

とにかく多くの人に使われている印象なので、使ってみてがっかりということはないはずです。

私も基礎的なことで再確認したいとなったら今でも読み返すことがあります。

佐久間 毅「民法の基礎2 物権」(有斐閣)

これも民法の基礎1と同じくです。

中田 裕康「債権総論」(岩波書店)

厚めの書籍ではありますが、制度趣旨や学説の対立に踏み込みながら解説がされているので、読んだときの納得感が大きいです。
深い解説もされることがありますが、深い部分は囲いがあって区別されているので、そこまでの理解は予備試験対策には不要でしょう。

中田 裕康「契約法」(有斐閣)

こちらも中田裕康先生の書籍で、厚めではあります。
債権総論と同じく、制度趣旨や学説の対立に踏み込んでいるので、こちらも読んだときの納得感が大きいです。

受験生向けということになると、後で解説する「基本講義 債権各論I 契約法・事務管理・不当利得」の方がわかりやすいかもしれないですが、より深く知りたいときには中田先生の本を読むのがいいでしょう。

潮見 佳男「基本講義 債権各論I 契約法・事務管理・不当利得」(新世社)

不法行為法分野は、「基本講義 債権各論II 不法行為法」に別れております。

債権法で定評のある基本書となっております。
学部生や法科大学院生向けに書かれているので、とても読みやすいです。
要件別に整理されていて2色刷になっているので、まだ要件や効果を意識することができていない初学者や中級者にもおすすめできます。

まずはこの本に書かれていることを押さえることができれば、予備試験対策としてはバッチリでしょう。

潮見 佳男「民法(全)」(有斐閣)

基本講義 債権各論I 契約法・事務管理・不当利得」「基本講義 債権各論II 不法行為法」を執筆した潮見先生が民法の全分野について書いた書籍になります。

一冊にまとまっている分、一つ一つの解説が薄いです。
しかし、基本書に相応しく、予備校テキストよりも理解のしやすさは優っているといえます。

私は、この本を親族相続の基本書としていました。
親族相続は試験対策的にはあまり深く勉強しなくてもいいかと思っていたからです。

前田 陽一、本山 敦、浦野 由紀子「民法VI 親族・相続(LEGAL QUEST)」(有斐閣)

リーガルクエストシリーズの親族相続法です。
リーガルクエストの民法の中では、一番使用率が高いという印象です。
親族相続法の基本書では、あまり定評のあるものがないという理由もあるかもしれません。

親族相続法で深めに勉強をしたいときには、リーガルクエストを1冊購入するのがいいと思います。

4-5 民事訴訟法

準備中…

4-6 刑法

準備中…

4-7 民事実務基礎

準備中…

4-8 刑事実務基礎

準備中…

5 よくある質問

Q.新版が出たら買い換えた方がいいの?

基本的には、買い換える必要はありません。
分からないところを調べるための基本書という目的からすると、予備試験で問われるような基本的な部分が大きく改正されることは少なく、旧版の基本書もそのまま使えるからです。

もしも平成29年の民法改正のような大きな改正があるようであれば、そのときは買い換えるのがいいでしょう。
(ただし、試験で出題されるのが改正前の法律なのか、改正後のものなのかは確認しておきましょう。)

6 まとめ

今回は、予備試験に合格するためには基本書が必要なのかということを解説しました。

予備試験合格までであれば、基本書はなくても合格できると思いますが、あった方がいいと思います。

この記事ではオススメの基本書も紹介しましたので、自分に必要だと感じたときはぜひ購入してみてください。

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