2024年となり、司法試験の日程が近づいてきております。
(令和6年7月10日、11日、13日、14日。法務省ウェブサイトより)
司法試験までに模試を受けるという人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、初めて司法試験を受験する人にとっては、
などの悩みがあるかと思います。
受験生の間でも模試を受ける人・受けない人、複数回受ける人・1回だけ受ける人と選択が分かれることもあります。しかし、模試をどう受けるか(そもそも受けないか)で悩んでいる時間はもったいありません。
結論からいえば、
- 初めての受験であれば、模試を受けた方がいいが、必須ではない
- 会場で受験ができる模試を選ぶのがベスト
- 模試は1回だけで十分
となります。
もっとも、受験生の皆さんの状況によっても、ベストな選択肢は異なってきます。
そこで、今回の記事では、
- 模試を受ける必要があるのか
- 自分に合った模試の選び方
- オススメの模試4選
- 模試を受けた後にするべき5つのこと
を解説します。
模試には申込期限もありますので、この記事を読んで今すぐ模試についての計画を立てましょう。
1 どんな人が模試を受けるべきかについて解説
どんな人が模試を受けるべきかについては、以下の表でまとめました。
タイプ | 模試を受けるオススメ度 |
初めて司法試験を受験する人 | ★★★ |
司法試験受験が2回目以降の人 | ★ |
予備試験の論文式試験を受験したことがある人 | ★ |
緊張しやすい人 | ★★★ |
初めての司法試験受験であれば、会場受験を一度してみるべき
初めて司法試験を受験するのであれば、会場受験で一度模試を受けてみるべきです。
なぜなら、実際の会場や受験生の雰囲気、時間を厳格に図って問題を解くという感覚を身につけることで、本番の司法試験に備えた対策が取れるからです。
ただし、予備試験の論文式試験を受験したことがある方は、模試を受けなくてもいいでしょう。
司法試験の雰囲気と予備試験の論文式試験の雰囲気はほとんど変わらないからです。
通信での受験もありますが、雰囲気を掴むということでは会場受験が一番です。
通信だと、どうしても自分に甘くなってしまう可能性があるので、できることなら会場で受験してみましょう。
2回目以降の司法試験受験生は、自分に必要なら模試を受けるべき
既に司法試験を受験したことがある受験生は、無理に模試を受けなくても問題ありません。
なぜなら、既に司法試験の会場の雰囲気は分かっているからです。
もし、以前の受験で緊張してしまって、うまくできなかったから次回の司法試験も不安がある、というような場合などは受けてみるといいでしょう。
前回落ちているから実力を確認したいという意味では、あまり受けなくてもいいです。
なぜなら、模試の問題と司法試験の問題には大きな差があるからです。
2 自分に合った模試の選び方
自分に合った模試を選ぶときの基準は以下の4つです。
司法試験の模試は、いろいろな予備校が実施をしています。
予備校によって、模試の受け方や開催時期、値段が変わってくるので、自分に合った模試を選びましょう。
模試を受験する目的は、司法試験の雰囲気を掴むということが一番ですので、自分に合った模試を選ぶのであれば、何回も受験する必要まではありません。
模試の的中率は基準にならないのか?
予備校によっては、「司法試験の出題内容に対する的中率が高い」とアピールしていることがあります。
私の意見ですが、模試の的中率は基準にしなくていいと思っています。
①予備校のアピールしている「的中」というのは、大まかな論点単位のことを言っていることがあり、宛てにならない
②司法試験の結果を左右するほど、的中率が高いとはいえない
という2つの理由からです。
的中率が気になるようであれば、最後の一押しの基準にするのがいいでしょう。
模試を受験するのが、会場か、通信か
模試によっては、実際に司法試験が行われる予定の会場で受験することができるものがあります。
司法試験の雰囲気を掴むということであれば、会場で受験する模試を選びましょう。
既に会場で受験をしたことがある受験生は、通信で受験してみてもいいでしょう。
そのときは、きっちりと時間を図って、会場受験をした受験生と同じ条件で受けられるようにしておくことにしましょう。
私は、模試の日程がどうしても合わず、仕方なく図書館を使って、通信で受験しました。
できる限り、実際の日程で受験しようと思いましたが、中日が2日となってしまいました。
体力的な面では、中日が1日か2日かは大きく違うので、どうしてもという場合以外は、実際の日程に合わせられるようにしましょう。
模試の受験生がどのくらいいるか
模試の受験生がどのくらいいるかは、受験生の中で自分の位置づけを把握するためには必要な基準となります。
模試の問題は司法試験の問題とは全く違うので、あまり成績を意識する必要はありません。しかし、模試で超上位の成績を取ることができれば、司法試験にも安定して合格できる可能性があります。
受験生の中での位置づけを把握するためには、できる限り受験生が多い模試を受けるのがいいでしょう。
模試の実施時期がいつか
模試がいつ開かれるかという基準は、模試の添削がいつ返ってきて、その後の修正を行うまでにどのくらいの時間があるかに影響します。
初めての司法試験を受験するにあたって、自分の実力がどのくらいか分からないということであれば、早めの時期に実施される模試を受験するのがいいでしょう。
会場の雰囲気を掴むという目的であれば、模試の実施時期はいつでもいいでしょう。
模試を受けること自体にかかる時間について
模試を受ければ、問題を解く時間だけで4日間使ってしまいます。
直前期に4日間を使うというのは、最終的な成績を左右しかねません。模試を受けること自体に時間がかかるという観点も考えてみましょう。
模試の受験料を支払うことができるか
司法試験の模試は、2万円〜6万円程度の受験料がかかります。
この受験料を支払うことができるかも、司法試験の模試を選ぶに当たって重要な要素となります。
最初に説明したとおり、模試は受けた方がいいくらいのものですので、どうしてもお金がないのに無理して受験をする必要まではありません。
3 オススメの司法試験模試ランキング
1位 TKC 司法試験 全国統一模試(伊藤塾)
3月日程の申込期限は3月5日(火)までです!
会場受験は先着順になっているので、早めに申し込みしましょう。
名称 | TKC 司法試験 全国統一模試 |
開催日 | 東京会場A 3月20日〜24日 大阪会場A 3月20日〜24日 名古屋会場 4月15日〜19日 札幌会場 4月17日〜21日 仙台会場 4月17日〜21日 広島会場 4月17日〜21日 福岡会場 4月24日〜28日 大阪会場B 4月24日〜28日 東京会場B 5月1日〜5日 伊藤塾東京校1 5月8日〜5月12日 伊藤塾東京校2 5月18日、19日、25日、26日 伊藤塾東京校3 5月20日〜24日 伊藤塾東京校4 5月29日〜6月2日 ※「〜」とあるものはそれぞれ2日目と3日目の間に1日間があります。 |
開催場所 | 東京会場A 産業貿易センター浜松町館/ベルサール東京日本橋 大阪会場A マイドームおおさか 名古屋会場 愛知県武道館/TKP名古屋駅前 札幌会場 TKP札幌駅カンファレンスセンター 仙台会場 TKPガーデンシティPREMIUM仙台西口 広島会場 広島コンベンションホール 福岡会場 南近代ビル 大阪会場B マイドームおおさか 東京会場B 産業貿易センター浜松町館/ベルサール東京日本橋 |
受講方法 | 会場、伊藤塾東京校、通信 |
価格 | 44,000円 |
特典 | Web成績表 デジタル添削 解説講義 詳しい個人成績表 |
2位 司法試験 全国公開模試(辰巳法律研究所・BEXA)
名称 | 司法試験 全国公開模試 |
開催日 | 東京GW日程 5月3日〜5日 ※短答はWeb受講 東京A 5月8日〜12日 東京B 5月15日〜19日 東京C 5月22日〜26日 札幌 5月15日〜19日 ※最小催行人数に達しない場合には、通信部に切り替わるようです。 仙台 5月15日〜19日 福岡 5月8日〜12日 大阪 5月15日〜19日 名古屋 5月22日〜26日 |
開催場所 | 東京GW日程 辰巳東京本校 東京A ベルサール東京日本橋 東京B 辰巳東京本校 東京C 辰巳東京本校 札幌 ACU-A(アスティ45) 仙台 ショーケー本館ビル 福岡 リファレンス駅東ビル 会議室 大阪 マイドームおおさか 名古屋 名駅プレミアホール |
受講方法 | 会場、辰巳東京本校、通信 |
価格 | 61,900円 ※会員価格 58,800円 ※代理店価格 58,805円 |
特典 | ①短答全科目肢別チェックTest800肢 ②辰巳セレクト短答に出そうな重要判例 ③論文7科目&選択科目 スピード解説&優秀答案PDF ④Last30日 実力向上サポート |
3位 【2024年合格目標】司法試験|司法試験答練(アガルート)
名称 | 【2024年合格目標】司法試験|司法試験答練(アガルート) |
開催日 | 通信のためなし 教材発送日は、2023年10月5日 |
開催場所 | 通信部のみ |
受講方法 | 通信 |
価格 | 30,000円(税抜き) 10%OFFセール中は、27,000円(税抜き) |
特典 | 答案添削 受講者全員の答案閲覧可 |
4 司法試験の模試を受けたあとに確認してほしい5つのこと
司法試験の模試は目的があって受けるものです。そのため、模試を受けた後には、その模試で経験したことを自分にフィードバックしなければなりません。
具体的には、司法試験の模試を受けた後に確認することは以下の5つです。
解答する時間が足りていたか
司法試験の模試は、本番ほどではありませんが、時間を図って初見の問題を解くことができる貴重な機会です。
きちんと時間内に問題を解くことができていたかを振り返りましょう。
一部の科目で時間が足りていないのであれば、その科目が苦手な可能性があります。
残りの勉強時間をその科目に重点的に割くなどの対策をするべきです。
ほとんどすべての科目で時間が足りていないのであれば、論文問題の解き方や思考方法に誤りがある可能性があります。
残りの勉強時間で、「どうすれば解答をする時間を短くできるのか」を研究するべきです。
朝の時間や休憩時間を有効に使えていたか
朝の第一科目が始まるまでの時間や科目間の休憩時間では、その次の科目の確認をする方が多いはずです。
あまり長い時間があるわけではなく、お手洗いに行く時間なども考慮しなければなりません。
どのくらいの時間があって、どのくらいの量の確認ができるのかを振り返ってみましょう。
その量によっては、事前にまとめノートやテキストの確認する箇所に付箋を貼っておくなどして有効活用が可能となります。
夜の時間をどのように使えたか
1日模試を受け終わった日はなかなかに疲れるものです。
司法試験の本番では、緊張感もあって余計に疲れる可能性があります。
夜に翌日の確認はどれくらいできるのか、何時くらいに寝たほうがいいのか、などを振り返ってみましょう。
余裕があれば、この日にはどこで夕食を食べるとか、いつ何を作っておいて夜に食べるとか、そこまで考えられると心の余裕ができるはずです。
当日持っていくものに過不足はあったか
休憩時間にどこまで次の科目の確認ができるかを振り返ったら、どのくらいの教材を当日に持っていくかも振り返ることができるはずです。
あの教材をもっていけばよかった
たくさん教材を持って行ったが、確認する時間がなかった
などの後悔があるかもしれません。
あまりに荷物が重いと、会場に行くだけで疲れてしまいかねません。必要最小限の荷物で行けるように持っていく教材や道具の確認をしましょう。
司法試験模試の順位はどのくらいか
順位が出る模試であれば、その成績がどのくらいのものだったか確認をしましょう。
もし、かなり上位であればそのまま合格できる可能性が高いです。
油断せず今の勉強を続けていきましょう。
もしも合格圏内に入っていなかったとしても落ち込む必要はありません。
理由は以下の2つです。
- 司法試験の問題と司法試験模試の問題は質が異なるから
- 模試を受けるのは実力者が多いから
ちなみに私は司法試験の模試(TKC)を受けて合格推定圏内に入ることができませんでした(実際の成績は以下の画像のとおり)。
司法試験の成績は、運営者情報に書いているとおりで余裕があったと思っています。
このように模試と司法試験でズレがあるのは、①の問題の質の問題だと思っています。
司法試験の問題は、問題を読んでいって法的に整理していけば基礎知識から解ける問題になっていて、司法試験模試の問題は、論点重視でよく分からない事情が含まれています。
私は、司法試験の問題を解くことにフォーカスした対策をしていたので、司法試験の問題の解き方をしていたらうまくいかずにストレスが貯まりました。
(それでも相対的な成績はいい方であってくれと思いますが。笑)
5 司法試験の模試についてのまとめ
今回の記事では、司法試験の模試についてまとめました。
結論をまとめますと、
ということになります。
受験生の皆さんが、自分にあった模試を受験して、司法試験に合格できることを願っております。
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